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「親も歯が悪かったから…」と、むし歯のひどい患者さんの中には、暗に遺伝のせいにしている人がいますが、遺伝がすべてではありません。一般に病気の原因を大別すると、遺伝子にプログラムされた"遺伝要因"と、生体外から入る病原菌や食事などの"環境要因"の二つに分けられます。むし歯は、これらのほぼ中間に位置すると考えたらよいでしょう。
つまり、齲蝕感受性(むし歯になりやすいか、なりにくいか)は、遺伝要因と環境要因の両方が関係しているといえるからです。歯の形、歯の発育の仕方、歯の生え方、歯並びなどは齲蝕感受性に大きく関係します。これらは遺伝によって決まる面が大きいことが、研究者によって明らかにされています。遺伝要因が大きく影響する歯並びを例にとると、歯並びが悪いと当然食物が詰まりやすく、歯もみがきにくいため、むし歯になりやすくなります。しかし、口腔清掃の状態、糖類のとり方、唾液の性状といった環境因子の相違で、むし歯のかかり方が違ってきます。
現在のむし歯予防は、口腔清掃の徹底、糖類の制限、フッ素などによる歯の質の強化を中心に行われていますが、これらは環境要因を改善することによって、むし歯を抑制しようとしているわけです。また、むし歯菌は母親から子どもへ伝えられる割合が高いため、むし歯になりやすい両親は自分の歯の治療や予防はもちろん、子どもさんの口の中の健康に関心を持ち、親子ともども、むし歯にならないように心がけましょう。
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